【府中牝馬S】ハンデが軽すぎても決して嬉しいとは限らない!? 某陣営の大誤算
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Mr.X
どうもこんにちは、情報ルートNo.101【Mr.X】です。
夏競馬のシンクタンクはさらに情報力強化でお送りしてまいります!
今年からは宝塚記念が前倒しになったことで、グランプリの後も続く東京・阪神開催という見慣れない構図となりました。
ただ、その今週がまた面白い番組ばかり!
阪神で行われるしらさぎS(G3)に関しては『重賞ココだけの話』にて境征勝センセイらがピックアップしているので、そちらもぜひご覧いただきたいところ。
そして当欄では府中牝馬S(G3)に関する裏ネタを公開。コチラもまた、馬券的にも見逃せない情報です!
夏競馬はメチャクチャ面白い情報が実は満載なんです。G1シーズン以上に強烈な情報が入ってくることも珍しくありません。
ぜひ、夏競馬をシンクタンクの情報と共に思いっ切り満喫してくださいね!!
【府中牝馬S】ハンデが軽すぎても決して嬉しいとは限らない!? 某陣営の大誤算
昨年まではこの時期に阪神競馬場でマーメイドS(G3)という牝馬重賞が恒例になっていたが、今年からは秋の東京で行われていた府中牝馬Sが、この時期に移設されることになった。
※なお、昨年まで府中牝馬Sが行われていた時期には、同じ条件(東京芝1800mのG2戦)のままアイルランドトロフィーの名前でレースが実施される。
ということで、府中牝馬Sは開催条件こそ東京芝1800mのままだが、マーメイドSの要素として『G3格付け』となり、加えて『ハンデ戦』としての開催となった。
今日はその『ハンデ戦』の要素がもたらしたとある“ひと悶着”についてご紹介しよう。
時は宝塚記念の翌日、月曜夜18時頃。
トレセンは全休日にあたるが、このタイミングで大事なイベントが存在する。それが『ハンデ戦レースのハンデ発表』である。
前日、日曜日の開催後に翌週行われる特別レースの登録馬が発表されるが、そのタイミングではハンデ戦レースの斤量は発表されず、翌日まで待つことになる。
そして月曜夜18時頃にハンデが発表されると、出走を予定している陣営の周辺では「思っていたよりもハンデが軽くてラッキー!」あるいは「アノ馬の斤量が軽すぎる。コレはおかしい」等々、様々な本音が漏れ聞こえてくるのが定番だ。
そんな中、府中牝馬Sにおいてはとある陣営に大誤算が生じたという。
某厩舎関係者
それは堀厩舎のカナテープ。この厩舎らしく鞍上にダミアン・レーンを確保していたんだけど、発表されたハンデが53キロだったんだ。
この斤量だとレーンはどれだけ減量を頑張っても騎乗するのは厳しい。そこでやむなく、代役として大野拓弥が起用されることになった。
本来なら想定より軽いハンデは喜ぶべき事象なんだけど、今回に限っては軽すぎて困った……というパターンだよね。

ダミアン・レーン騎手
ここで、レーン騎手の斤量(体重)事情を見てみよう。
一昨年(2023年)までのレーン騎手は来日時に54キロの斤量で乗るケースも目立ったものの、53キロ以下での騎乗歴はゼロ。
加えて昨年からは『55キロ以上の馬しか依頼を受けない』というスタンスになっているという。
体重管理の事情は本人サイドが決めていることであり、また短期免許でスポット参戦の立場でもある以上、依頼する厩舎や馬主サイドからしても“無理してでも絞って乗ってくれ”とはなかなか言いづらい状況。
むしろレーン騎手サイドの方が「54キロ以下は乗りませんよ」とバッサリ依頼を断ることができる立場だろう。

競馬サークルにおいて
『誰が何キロまで乗れるのか』は
非常に大事な話です
実際に、昨年(2024年)以降の騎乗歴を見ると54キロでの騎乗はたった一度。これは昨年夏のワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)で騎乗馬抽選の結果、3歳牝馬(WASJでは斤量54キロに設定)への騎乗が偶然にも当たっただけであり、本人が希望してのものではない。
要するに、少なくともハンデが55キロ以上になることは非常に考えづらいカナテープに騎乗予定だったということは『レーン騎手サイドは54キロまでは体重を絞ってでも騎乗することを考えていた』と言えるだろう。
某厩舎関係者
そして今回、カナテープの依頼を受けていたのも、単に有力馬だからというワケではなく“懇意にしている堀厩舎の馬だから”という部分は大きかったと思うんだよね。
ところが、ハンデが53キロと発表されたからには騎乗するのはほぼ不可能。
しかも今回に関しては、カナテープ自身と近い立ち位置の馬が54キロに設定されていることもあって、なおさら斤量が軽いことに文句を言いたい状況だと思うな。
この事情通の言葉を元に他馬の斤量を見ていくと、カナテープと同じく3勝クラス勝ちから日が経っていないタガノエルピーダが54キロに設定。ただしこの馬は2歳時に朝日杯FS(G1)で3着、3歳時にリステッドの忘れな草賞を制しており、その実績が加味された可能性がある。
その意味で、同じく54キロのラヴァンダは昨年フローラS(G2)で2着、秋華賞(G1)で4着、今年の阪神牝馬S(G2)で3着と好走歴があるが、賞金的にはカナテープやタガノエルピーダとは異なり、現状は3勝クラスの立ち位置。
今回は格上挑戦での出走であり、先述2頭とは所属クラスでは格下にあたるのだ。
某厩舎関係者
これはラヴァンダが在籍クラスよりも重賞実績が加味されて余計に重いとも取れるけど、やっぱりカナテープ側が1キロ余計に軽いという見方になる。当事者からすれば尚更だろうね。
重賞実績ではラヴァンダの方が上なのは分かるけど、所属クラスではカナテープの方が上。だからなおさら、カナテープ陣営とすれば想定できなかったハンデなんじゃないかな。
某厩舎関係者
そして、このレースに限った話じゃないんだけど、ハンデ戦においては単なる重い・軽いの話だけじゃなくて『陣営が元々どういったハンデを想定していたか』という部分も大事になる。
特にそのレースに対してモチベーションが高い陣営ほど、他の出走馬が過去にハンデ戦に出走した時の斤量や実績の比較から、事前に自身のハンデがどれくらいになるか……をしっかり予想した上で出走させている。
この部分はなかなかスポーツ紙や専門紙には掲載されないけどね。
ということで、今回は“ハンデが想定より軽くても決して嬉しいことではない”という誤算ケースを紹介したが、
ここで週末まで必ず覚えておきたいのは『カナテープにはレーン騎手が体重を絞ってでも乗る予定だった可能性が高い』ということ。ここから週末までの直前情報に注目だ。
【日曜東京7R】最終週にもう一つ爪痕を!
6月22日(日)東京7R 3歳以上1勝クラス
クラリネットソナタ(田中博厩舎)
今週、レーン騎手と共に短期免許期間の最終週を迎えるのがマイケル・ディー騎手である。
先週までの8週間で4勝。勝率は3.4%と数字こそ目立っていないものの、現場では、
某関係者
数字以上に良いイメージをみんな持ってるんじゃないかな。
世間では『ハヤヤッコのケガを最小限に防いだ』ってことが広まってるみたいだけど、積極的な位置取りだとか、シッカリと追えるパワーだったりとかを評価している人は少なくないよ。
初めてJRAで短期免許を取得する際の上限は2か月と決まっているため、ディー騎手にとって今週が今年最後のJRAでの騎乗となる可能性が高い。来年以降も来日して騎乗馬を集めるためには、少しでもアピールしておきたいタイミングである。
最終週の騎乗予定馬の中で「コレは決めたいよね」という話になっているのがクラリネットソナタ。前走・4/26東京6Rではディー騎手が騎乗し2着に敗れたものの、緩やかなペースだったことを考えれば大健闘。
今回は古馬相手のレースとあって斤量が軽くなり、なおかつ牝馬限定という相手関係に恵まれた状況での一戦。某関係者も「さすがにここは決めておきたいね。賞金を加算できれば、今後の選択肢も広がるだろうから」と期待を寄せている。
